経営サポート
(プロジェクト)
SUPPORT
従業員100名までの
人事制度構築・運用
継栄のための必須要件!!
人財を育て継栄計画を実現するための役割等級人事制度構築
1.趣旨
- 人材育成は会社にとって最重要課題である。特に少子超高齢化、人口減少により人口オーナス社会となり、特に地域企業である中小企業にとっては喫緊のテーマである。
しかしながら多くの中小企業は目先の業績達成に追われ(緊急度・重要度が高い現在価値を高める業務)、社員一人ひとりを育てる(緊急度は低いが重要度の高い将来価値を高める業務)余裕がない。部下や後輩を育成・指導していくべきマネジャーやリーダーは、そのほとんどがプレイングマネジャーであり、個人に課せられた目標を達成することに一生懸命で、人材育成まで手が回らない。 - つまり多くの中小企業が「人材育成」は重要であると認識しながらも、育成に手が回っていない状況といえる。P.F.ドラッカー氏も「マネジメントのほとんどが、あらゆる資源のうち人がもっとも活用されず、その潜在能力も開発されていないことを知っている。だが、現実的には、人のマネジメントに関する従来のアプローチのほとんどが、人を資源としてではなく、問題、雑事、費用として扱っている。」と言及している。
- 『継栄(継続して成長し、発展し、繁栄する)』のためには、「使命感(理念・ミッション)経営」、「全員参画型経営」、「計画経営」、「バランス経営」が基本となる。そして、実践においては、「継栄方針書」、「役割等級型人事制度」を継続運用することで、人事上の効果として「将来を担うリーダーが育つ」「全社員が経営理念・使命感に沿って成長する」「欲しい人材が採用できる」等が得られる。その結果、経営ビジョンが実現できる。
- なぜなら、これらの考え方には、「経営理念・使命感やビジョンが、方針管理・目標管理と共に一気通貫となっており、社員に浸透する」「ヒトが育つ仕組みが回るようになる」という特長があるからである。社員が活き活きと働ける環境づくりが社長の仕事であり、この環境が整うことで顧客を囲い込むのではなく惹きつけることができ、取引先からもなくてはならない会社となり、生産性の高い会社になることができる。但し、その道程は平坦ではなく、山あり谷ありである。
社長・経営陣が不退転の覚悟で臨む必要があり、全社員の幸せ実現と共に未来を切り開き『継栄』を具現化しよう。 - 「企業が、継栄するためには何が必要か」。それは環境に適応することであり、社会から必要とされ、周囲と共存することで存続できるのである。人事制度の本来の役割は、企業の経営理念・使命感や経営ビジョンの実現に向け、社員を育成し、成長させ、しなやかで強靭な組織をつくることである。
- 「継栄方針書」と「人事制度」を両輪として人を育てる。仕事の三要素である「目的・目標・手段」を継栄方針書で「経営理念」「経営ビジョン(3・5ヶ年中期計画)」「経営基本方針」「部門別重点方針・具体策・実践行動具体策」として明確にすることで会社の今後の方向性が見える化される。
- まず、継栄方針書で全社員と会社の考え方や方向性を共有する。そして全員参画により作成した継栄方針書の「部門別重点方針・具体策・実践行動具体策」に沿って社員一人ひとりの役割を落とし込んだ「目標管理」を中心に継続的にPDCAサイクルを回していく。これにより会社の目指す方向に全社員を育成しながら導くことができる。
- これら両輪の必要性・重要性は、多くの経営者が認識しているものの時間が取れない等の理由でなかなか取り組まないといったことが見受けられる。それは、重要度は高いが、緊急度が低いからである。確かにすぐに取り組まなくとも直近の売上が下がることはないかもしれない。しかし、社員はすぐに育つことはない。重要度が高いが、緊急度の低いといった課題が会社の将来・未来を担保するのである。これこそが経営者の仕事といっても過言ではない。
2.人事制度構築フロー
STEP
経営理念・企業使命感の
再確認
人事制度は、企業の経営理念・使命感に基づかなくてはならない。そのため、人事制度をつくる際には、まず自社の経営理念・基本理念を再確認したうえで、「会社は従業員のことをどう考えているのか」という「人事理念」を明文化すること不可欠である。人事理念は人事制度を構築する上での大方針となり、各仕組みとの整合性、社員へのメッセージを伝える場合にも重要な役割を担う。
STEP
現状分析と制度設計の
グランドデザイン
現在の人事制度の課題を分析した上で、大まかな人事制度のグランドデザインに入る。現状分析では必要に応じて、従業員満足度(ES)調査や各部門へのヒアリング、他社との給与水準の比較などを実施する。経営理念・使命感や人材理念に沿う形で、等級制度や評価制度、賃金制度の改定の方向性を決定する。
STEP
等級制度の設計
人事制度の骨格になる等級制度を、まずは構築する。STEP2で決めた方向性(例:役割ベース「役割等級制度」)に基づき、ここでは等級の段階数や、等級一つひとつの「資格要件」を定義する(例:役割等級制度は「役割要件書」、など)。こうして、等級制度の細部を設計していく。
STEP
評価制度(人事評価制度)の
設計
等級制度で定義した資格要件に対応する形で評価の基準を定める。評価制度の核心は、何を評価するのか(評価項目)、どう評価するのか(評価基準)である。評価制度によって従業員のモチベーションは変わる。経営理念・使命感や人材理念をベースに、企業が望む方向へと従業員を意識づけ、モチベーション向上につながるような評価制度を心がけたい。
STEP
賃金制度の設計
STEP4の評価基準を賃金に適正に反映するため賃金制度を作成する。等級ごとの給与額の上限と下限、ならびに給与額間の差(ピッチ)を定めるが、従業員が「その給与で無理なく生活していけるのか」を十分シミュレーションすることも重要である(都道府県別標準生計費参照)。さらに、改訂した賃金制度をもとに、人件費の総額を試算し、検討を重ねていく。
STEP
新制度への移行
シミュレーション
新しくできた制度はただちに実施するのではなく、移行した場合のシミュレーションを行わなければならない。総額人件費の変化、移行後の労働生産性の変化などを確認し、改善していく。また、従業員に対して十分な説明を行い、理解と協力を求める。処遇が大きく変動する従業員に対しては、数年程度の猶予期間を設けるなどの措置も必要となる。
STEP
制度の定着化
人事制度を狙いどおりに機能させるには、制度自体の浸透(従業員への周知、管理職や考課者の研修)と実際の運用(新制度に基づく人員配置・組織運営、人材開発など)が重要である。新人事制度の運用を通じて、さまざまな課題を発見し、改善していくことが欠かせない。